子連れでレストラン

連休中、久しぶりに「ベルクール」に行ってきた。ベルクールは、市原でも屈指のフレンチレストランとなりつつある。いついっても満席の日が多いようで、正直、ごちゃごちゃとおばちゃんたちがたむろするところに行きたくないのでちょっと遠ざかっていたのだ。

それが休みの間にランチに出ようとしてあちこちに確認の電話をしているうちに、「子供連れで入れるレストラン」が意外と限られてくることがわかってきたのだ。市原で現在、もっとも落ち着いて食事のできる姉崎の「エボンヌ」は、小学校高学年になるまではダメ。行きつけの「アンティーク」は、新店舗への移転のため2月まで閉店中だ。「フィオーレ」はすばらしいイタリアンだが、時間の関係でちょっと出るには遠い。いやいやながら、やたら偉そうで腹が立つが味はそれなりにうまい「ラ・マッシリア」に電話をしてみると、「10歳以下はお断りしています」と思った通り偉そうに断られてしまった。うーむ。

で、「まぁ、だめもとで聞いてみるか……」と思って電話したベルクールで、なんと「小学生なら大丈夫です」との返事。すぐさま予約していってきたのでした。

ランチはスープ付のコースで1380円。これには感動した。開店当初とまったく値段が変わっていない。ずいぶんと人気が出てきているし、多少はあがっているかと覚悟したのだが、そのまま。前菜、スープ、そしてメイン。さすがベルクール、やっぱりきちんとしたシェフのいる店は違うわ、と久々に堪能して帰ってまいりました。噂では「ランチコースのデザートは、ほんの一口サイズになってる」とのことだったけど、蜂蜜のアイスは普通サイズだったし、盛り合わせを頼んだ妻と子は4種のデザートに大満足していた。ここはデザート盛り合わせ付で1800円がランチの基本コースだと思うことにしよう。それでもフレンチとしては格安なんだし。

それにしても、もう少し「ちゃんとしたレストラン」で子供がOKのところが増えてくれないだろうか。「子連れならファミレスがあるだろう」とはいわないでほしい。ファミレスではダメなのだ。

何のために、子供をつれてレストランに行くのか。それは「プロが調理した料理」を舌で知っておくというだけでなく、「きちんとしたレストランでの食事マナーを身につけさせる」という目的もある。ファミレスではダメだ。真っ当なレストランでないとダメなのだ。

多くのレストランは、「子供お断り」だ。確かに、子供が騒げばせっかくの食事も台無しになる。けれど、それじゃあ子供のうちはまったくそうした店に行かず、大人になっていったらいきなりきちんとしたマナーで食事できるか?といったら、それは絶対に無理だろう。よく、テレビであちこちの店を取材するようなバラエティ番組があるが、そうした番組に出ている芸能人の食べ方のなんと汚らしいことか。見ていてつくづくと感心するほどに美しい食べ方をしていたのは神田うのぐらいしか記憶がない。ナイフとフォークを間違えなければテーブルマナーはオッケーというわけじゃないだろう。

子供に残してやれるのは、美田でも財産でもない、教育だ。それは、家庭教師を雇って東大を目指すとかいうことだけをいうのじゃない。どこに出しても恥ずかしくない「教養」を身につけさせる、というのもまた重要な教育だろう。

どうか、市原の真っ当なレストランのオーナー様方。もっと「子連れのお客」について考えていただけませんか。もちろん、途中で騒いだら即退場でかまいません。それはそれで、よい教育になります。チャンスだけは、小さいころから与えてあげてください。――あ、これはあくまで「真っ当なレストラン」へのお願いです。そこいらの「豚の餌を食わせるファミレスまがいの店」とかは含まれませんので。


※ベルクール

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