ログハウスにしなきゃよかった!と思うこと

夏も半ばを過ぎた。目下のところ、なんとかこのクソ暑い日々を乗り切っている。

前に書いたが、我が家には1台しかエアコンがない。このたかだか15帖用程度のエアコンで、延床40坪すべてを冷やそうというのだ。当初、思ったとおり2階はかなりの暑さになってしまったが、扇風機で風を常に送ることで、意外に家全体を満遍なく冷やせることがわかった。夜も、寝る前にエアコンを切っても、朝起きるぐらいまではなんとか保っている(妻は、夜中に「あづい!」と何度となく目を覚ましているそうだが)。

また気温以上に快適さを実感するのが「湿度」だ。外が「立ってるだけで全身が濡れてくる」というような湿度90%以上のような日でも、家の中はいつでもさらさら空気。梅雨のど真ん中でさえ、夜、寝る前に洗濯物を家の中に干しておけば朝までにはすっかり乾く。「部屋干しすると~ちょっと臭う~♪」とかいったCMがあったけど、あれ、どこの国の話?という感じだ。そっかー、普通の家って、梅雨時に洗濯物干すの大変なのかー、へー。知らなかったー。(←そろそろ読者の怒りを買い始める)

それにしても、だ。新居であるログハウスに引っ越して10ヶ月以上、秋には1年になろうというのに、未だに「我が家が一番!」とつくづく思ってしまうのはどうしたものか。普通、どんな立派な家であれ、買って半年も過ぎると、あれこれと不満が出てくるものだと聞く。が、我が家にはそれがほとんどない。まぁ、ないことはないが、どれも「重箱の隅っこを突っつく」程度のもので、家そのものについては不思議なくらいに不満がない。逆に、住むほどに「ほんっと、うちっていい家だよねぇ」と毎晩夫婦してうなづきあっている日々なのだ。

それにしても、何か不満はないのか。ログハウスにしなきゃよかった!と思うことはないのか。と思って、考えてみた。すると、あったよ、大きな問題が。


「建物探訪」がつまらなくなった。


「建物探訪」といえば、日曜の朝にやってる長寿番組であるね。毎回、独創的な家が紹介されて、家を建てる前、いつも楽しみにしていたものだ。毎度登場する家々を眺めながら、「いつかはこんなすてきな家に住みたいよなぁ」と妻と夢想していたんだよな。

それが、ログハウスに移り住んで以来、見ても面白くないのである。なぜなら、「たいした家が出てこない」のだ。どれを見ても、「うちのほうがいいじゃん」「見るだけ時間の無駄だったね」というような家ばっかり。

正直、最近登場する家のレベルがさがっているとは思う。これは確かだろう。が、それ以上に、「我が家の目が肥えてしまった」ようだ。もはや、よほどの家でない限り、何も感動しなくなってしまった。少なくとも我が家と同程度の予算で、我が家より上の家でなければ、褒め称える気にはなれない。そして、そんな家は、今まで見てきた中で「ない」のだ。

そういえば、今でも妻が図書館から借りてきたりして家関係の本やらムックやらを暇があれば眺めるのだけど、「住んでみたい!」と思える家になかなか出会えないんだよね。ログハウスの快適さを知ってしまうと、どんな家であれ、「夏、暑そうだなあ」とか「冬、寒そうだなあ」とか思ってしまう。最低気温28度の夜にエアコンを切って朝までぐっすり眠れるだろうか、とか、これすべての部屋に冷暖房入れないと暮らせないんだよな、とか考えてしまうと、この空前の「80帖ワンルーム」ハウス(←超大げさ表現)の心地よさとは比較にならんのだわ。

なにより、この「ログ壁」に囲まれた家に慣れてしまうと、どんな家であれ、ものすごく心もとなく感じてしまう。「これ、壁の薄っぺらい板の向こうは断熱材なんだよな」と思うともういけない。「これ、細い柱と斜交いの板切れだけで家を支えてんだよな」と思ってしまうともうだめだ。何しろ、基礎から天井までみっちりと「木」だけ!でできている壁の安心感というのは、これは言葉で言い尽くせないものがある。なんだろうね、この安心感は。

というわけで、今回は「ログハウスにしなきゃよかった!と思うこと」について書こうと思ったが、結局、ただの家自慢になってしまった。ま、しょうがないな。うちよりいい家、実際、世の中にないんだもんなぁ。(←既に末期症状)

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