フェアトレードiPhoneを!

NewsWeekが「アップルと悪魔の取引」として、アップルが委託するFoxconnの工場のレポートを掲載していた。昨年あたりからぽつりぽつりとこうした記事が出てくるようになってきた。が、まだまだ知られていない。

アップルの最初の大ヒット製品であるapple ][の時代から、僕はアップル製品を使い続けてきた。若い頃はアップルショップでMacやApple //cを売ったりしていたんだから当たり前だが、それなりに筋金入りのアップルファンだったと思う。だがここ何年か、どうもアップルとは距離をおくようになってきた。

1番の理由は、アップルの閉鎖性に辟易してきたということなのだけど(世間ではジョブスは亡くなって神になりつつあるけど、僕は彼がやってきてからアップルはおかしくなったと思ってる)、もう1つの理由は、その製品管理のあり方に疑問を覚えるようになってきたためだ。自社工場をもたず第三世界の安い労働力を使ってすべて外部発注で製品管理する手法は、ジョブスではなく今のCEOであるティムによって確立されたものだったと思うが、それは確かにアップルにこの業界としてはあり得ないほどの高い利益率をもたらした。それを成功というなら、確かにアップルは成功した。世界でトップの企業価値を持つ会社になったのだから。

だがしかし、利益ではなく、企業価値でもなく、もっと別の尺度を持って企業の点数をつけるとしたら、果たしてアップルは高得点だろうか。前にもユニクロの話で書いたけど、僕は「企業の成功」とは、「その企業があることでどれだけの人々が幸せになれたか」だと思う。

アップルの製品によってどれだけの人々が幸せになれたか。確かにiPodやiPhoneにより暮らしが変わった人はたくさんいるだろう。アップル製品を所有することに幸せを感じる人はごまんといるはずだ。だからアップルが多くの人に幸せを運んでいるというのは間違いではない。

ただ、思うのだ。その人々は、果たして自分の愛するiPhoneがどのように作られているかを理解しても、尚、その製品を愛し続けることができるのだろうか、と。中国の女工による過酷な労働によって作られた製品を愛することなど僕にはできそうにない(いや、もともと「モノ」を愛したりはできない人間だけど)。その製品を作るために何人もの労働者が自殺していることを知って尚、iPhoneを絶賛できる人はどれだけいるのだろうか。(――いや、いるんだろうな。たぶん、僕が思う以上にたくさん。世の中には「中国人の命など虫けら以下」と思ってる人は想像以上に多いみたいだから)

もちろん、アップルだけがそうした過酷な労働を強いているわけではない。DellもHPも、アップルと同様に中国のFoxconnで製品を作っている。ただ、「みんなやってる」、だから悪くない、というのは、せいぜい万引きした中学生までしか通用しない理屈だ。誰がやっていようが、悪いことは悪いのだ。

だから。この種のデジタルガジェットを使う人々に、もうちょっとだけ「世界をよりよいものにする」ことを意識できるようにできないか、と思うのだ。そこで、「フェアトレード」だ。既にコーヒーなどでは用いられている。真っ当な価格で取引されたコーヒー。確かに他のものよりは多少高いが、しかしそのお金は先進国の商社などではなく、コーヒーを生産する生産者にきっちりと支払われる。彼らが人間的な営みをできるほどの収入を得られるように。

ある試算によれば、iPhoneの生産に従事する労働者たちがまっとうな労働条件のもとに働けるようにするためにかかるコストは65ドルだという。つまり、65ドル高いiPhoneを受け入れることが出来れば、それを生産する女工たちが工場の屋根から飛び降り自殺することを防げるかも知れないのだ。

今までのものとは別に、65ドル高い「フェアトレードiPhone」を販売することは不可能だろうか。いや、iPhoneに限らない。すべてのデジタルガジェットに、「フェアトレード製品」を。それにより、「最先端をゆく製品を使う先進諸国の金持ちたちが、第三世界の奴隷の上にあぐらを書いて暮らしている」という現状を多少なりとも改善できるんじゃないかと思うのだがどうだろう。


ちなみに、あなたの暮らしを何人の「見えない奴隷」が支えているか、下のサイトで計算することができる。一度試してみて欲しい。ちなみに僕は、40人だった。

http://slaveryfootprint.org/survey/

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