買いました。Galaxy S III。一応、Androidの入門書も何冊か書いている身で、普段使ってるスマートフォンが未だに2.1というのは内心忸怩たるものがありました、はい。まぁタブレットで3.0までは使えるけど、やはり4.0の実機が手元にないのはつらい。Xperiaも今月で2年が過ぎたということで、予約しておいたのでした。
というわけで、月末で締め切り前というのに、暇を見てはちょこちょこといじっていたのであります。とにかく、2年前のXperiaとは大きく違う(当たり前か)。速度や動きのなめらかさなど機器の優秀さはもちろんなんだけど、それ以上に驚いたのは中のソフトの部分だった。
docomoのソフトが大幅に増えている。まず、ホーム自体がdocomo独自のものだ。これはGalaxy本来のホームに簡単に切り替えられるのだけど、実際使ってみると思ったよりよくできてる。特にアプリの一覧リストがきれいに整理されていてすっきりと使いやすくなっているし、高機能すぎて使うのが難しいということもなくほどよい機能。さすがこのあたりはよく考えている。
そしてdocomo独自のアプリ。dメニューだのdocomoマーケットだのは前からあったけど、それ以外にもいろいろ増えた。これらdocomoアプリも以前に比べずいぶんよくなっている。「あるだけ無駄、こんなもん入れておくな」と言われ続けたアプリ類も、「これ、最初からあると便利だな」というレベルにはなってきた。
最近、CMで力を入れている「しゃべってコンシェル」は標準では入っておらず、別途インストールする形だが、これが思った以上に面白い。まぁ、もちろんまだまだ完璧ではなくて、「月曜日、スケジュール。写真の撮影」と喋ると「月曜日、死刑囚、写真の撮影」と認識してとてつもなくグロいイメージを表示しようと試みたこともあったが、まぁ総じて使える。これは標準で入れておけば、「おもちゃ」として楽しい。実用になる……場合もあるし、ね。
これらを使っていて、強く感じたのは、docomoのスマートフォン戦略の他社との違いだ。スマートフォン戦略というと常に「iPhoneはまだ扱わないのか」ということばかりが注目され、Galaxy SIIIの発売セレモニーでさえiPhoneのことに言及しなければならないぐらいだが、これらを使って、なんとなくわかった。
docomoは、iPhoneを絶対に扱わないだろう。なぜなら、docomoとアップルは敵対関係にあることがこれでよくわかったからだ。
ソフトバンクとauは、iPhoneと扱っている。これはこの2社がアップルと友好関係にあるから……ではない。この2社がアップルと「従属関係にあるから」だ。ソフトバンクとauは、アップルの家来となることに同意したのだ。
確かにiPhoneは優れている。キャリアとしてはずいぶんと契約数もこれで増えているのだろう。だが、それだけだ。アップルは、すべてのキャリアに「土管になれ」といっている。単なる配管会社になれ、その上のサービスはすべてアップルが展開しアップルが儲ける。お前たちは単に土管を全国に敷くだけの会社だ、お前たちの考えたサービスなど一切iPhoneには入れない。アップルはそういっている。
docomoは、それだけは受け入れられなかった。スマートフォン戦略は、すなわち「その上でいかにサービスを構築し商売にしていくか」だと彼らは考える。だから自社製サービスを組み込めないiPhoneは受け入れられない。そしてアップルも同様の理由でiPhoneにキャリアのサービスを受け入れることは絶対にしない。
キャリアと携帯メーカーという見方では、アップルとdocomoが提携する可能性はあるように見える。だが「携帯ネットワーク上で展開する各種サービスとエコシステムの提供企業」という意味では、アップルとdocomoは完全に対立する。
その点はGoogleだって同じだ? いや、違う。Googleもネットワーク上にエコシステムを構築していこうとしているが、アップルと大きく異なるのは「Android上に他社のサービスやエコシステムを構築することを許容している」という点だ。だからAndroid携帯には、Googleのマーケットもあるし、キャリアのマーケットもあるし、携帯メーカーのマーケットもある。Galaxyにはこの3つのマーケットが標準で入っている。どれを選ぶかは利用者まかせだ。だからdocomoはAndroidを売ることができる。
Galaxyから、docomoのアプリが全て取り除かれた状態を想像してみる。それは、docomoである必要のないスマートフォンに堕してしまうことがわかるだろう。彼らは、Androidを売りたいのではない。「docomoのAndroid」を売りたいのだ。
docomoは、携帯キャリアでもっともでかい企業であり、親方日の丸的な印象の強いところだ。東電だのJRだのと同じようなイメージがつきまとう。だが、見ようによってはdocomoは携帯会社の中でもっともアグレッシブな戦略をとっているようにも思える。実に面白い。
というわけで、まだまだ当分はdocomoにおせわになるようだ。とりあえずGalaxyなら2年後は十分もつだろう。
※と思っていたら、さっさとiPhoneを売り始めてしまった。はっはっは。
というわけで、月末で締め切り前というのに、暇を見てはちょこちょこといじっていたのであります。とにかく、2年前のXperiaとは大きく違う(当たり前か)。速度や動きのなめらかさなど機器の優秀さはもちろんなんだけど、それ以上に驚いたのは中のソフトの部分だった。
docomoのソフトが大幅に増えている。まず、ホーム自体がdocomo独自のものだ。これはGalaxy本来のホームに簡単に切り替えられるのだけど、実際使ってみると思ったよりよくできてる。特にアプリの一覧リストがきれいに整理されていてすっきりと使いやすくなっているし、高機能すぎて使うのが難しいということもなくほどよい機能。さすがこのあたりはよく考えている。
そしてdocomo独自のアプリ。dメニューだのdocomoマーケットだのは前からあったけど、それ以外にもいろいろ増えた。これらdocomoアプリも以前に比べずいぶんよくなっている。「あるだけ無駄、こんなもん入れておくな」と言われ続けたアプリ類も、「これ、最初からあると便利だな」というレベルにはなってきた。
最近、CMで力を入れている「しゃべってコンシェル」は標準では入っておらず、別途インストールする形だが、これが思った以上に面白い。まぁ、もちろんまだまだ完璧ではなくて、「月曜日、スケジュール。写真の撮影」と喋ると「月曜日、死刑囚、写真の撮影」と認識してとてつもなくグロいイメージを表示しようと試みたこともあったが、まぁ総じて使える。これは標準で入れておけば、「おもちゃ」として楽しい。実用になる……場合もあるし、ね。
これらを使っていて、強く感じたのは、docomoのスマートフォン戦略の他社との違いだ。スマートフォン戦略というと常に「iPhoneはまだ扱わないのか」ということばかりが注目され、Galaxy SIIIの発売セレモニーでさえiPhoneのことに言及しなければならないぐらいだが、これらを使って、なんとなくわかった。
docomoは、iPhoneを絶対に扱わないだろう。なぜなら、docomoとアップルは敵対関係にあることがこれでよくわかったからだ。
ソフトバンクとauは、iPhoneと扱っている。これはこの2社がアップルと友好関係にあるから……ではない。この2社がアップルと「従属関係にあるから」だ。ソフトバンクとauは、アップルの家来となることに同意したのだ。
確かにiPhoneは優れている。キャリアとしてはずいぶんと契約数もこれで増えているのだろう。だが、それだけだ。アップルは、すべてのキャリアに「土管になれ」といっている。単なる配管会社になれ、その上のサービスはすべてアップルが展開しアップルが儲ける。お前たちは単に土管を全国に敷くだけの会社だ、お前たちの考えたサービスなど一切iPhoneには入れない。アップルはそういっている。
docomoは、それだけは受け入れられなかった。スマートフォン戦略は、すなわち「その上でいかにサービスを構築し商売にしていくか」だと彼らは考える。だから自社製サービスを組み込めないiPhoneは受け入れられない。そしてアップルも同様の理由でiPhoneにキャリアのサービスを受け入れることは絶対にしない。
キャリアと携帯メーカーという見方では、アップルとdocomoが提携する可能性はあるように見える。だが「携帯ネットワーク上で展開する各種サービスとエコシステムの提供企業」という意味では、アップルとdocomoは完全に対立する。
その点はGoogleだって同じだ? いや、違う。Googleもネットワーク上にエコシステムを構築していこうとしているが、アップルと大きく異なるのは「Android上に他社のサービスやエコシステムを構築することを許容している」という点だ。だからAndroid携帯には、Googleのマーケットもあるし、キャリアのマーケットもあるし、携帯メーカーのマーケットもある。Galaxyにはこの3つのマーケットが標準で入っている。どれを選ぶかは利用者まかせだ。だからdocomoはAndroidを売ることができる。
Galaxyから、docomoのアプリが全て取り除かれた状態を想像してみる。それは、docomoである必要のないスマートフォンに堕してしまうことがわかるだろう。彼らは、Androidを売りたいのではない。「docomoのAndroid」を売りたいのだ。
docomoは、携帯キャリアでもっともでかい企業であり、親方日の丸的な印象の強いところだ。東電だのJRだのと同じようなイメージがつきまとう。だが、見ようによってはdocomoは携帯会社の中でもっともアグレッシブな戦略をとっているようにも思える。実に面白い。
というわけで、まだまだ当分はdocomoにおせわになるようだ。とりあえずGalaxyなら2年後は十分もつだろう。
※と思っていたら、さっさとiPhoneを売り始めてしまった。はっはっは。
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