ちょっと前なんだけど、Googleが密かにやっていた「Project IDX」がプレビューリリースされた。これ、ほとんどニュースになっていないんだけど、開発者には結構アピールできるサービスじゃないだろうか。
Project IDX(https://idx.google.com/)というのは、Webベースでアプリケーション開発を行うためのプラットフォーム。これに一番近いのは、GitHubのワークスペースだろうか。サイトにアクセスすると、ワークスペースの管理ページにようなものが現れる。ここで新しいワークスペースを作ったり、既に作ったワークスペースを開いて編集したりできる。
ワークスペースってのは、プロジェクトを保存する領域のようなもの。デフォルトでWebアプリ(Angular、React、Next.jsのアプリをデフォルトでサポート)、そしてFlutterアプリが選択できる。
ワークスペースを作成すると、これが開かれて編集画面になる。この画面、見たことあるぞ……。そう、Visual Studio Codeそのものだ。ただし、VSCodeにはない「プレビュー」が標準でサポートされている。右側にiPhoneやAndroid、Webといったプレビューを開き、これらでどのように表示されるのかその場で確認できる(もちろん、表示だけでなくてちゃんと動く)。コードを編集するとその場でリアルタイムにプレビューも更新されるのでとても便利。またターミナルも標準で持っていて、クラウド環境に直接コマンドを送れる(ただし用意されているコマンドはかなり少ない)。
でも、開発ツールの部分がほぼVSCodeそのままってのがちょっと引っかかる。こんなにまんまパクって大丈夫なのか?
そもそもVSCode側は、既にWeb版VSCode(https://vscode.dev/)も出していて、オンラインで開発できるようになってる。これはローカルのプロジェクトを開いて編集もできるし、GitHubと連携してリポジトリを開いて編集したりもできる。
正直、慣れちゃってるので実はWeb版VSCodeのほうが使いやすく感じる。こいつは編集だけで実行環境がないので、いちいちクラウド側に仮想環境を起動してとかやらないので、とにかく軽い。アクセスしてぱっとリポジトリ開いて編集しておしまい、みたいな手軽さがある。
ただ、実行環境まで標準で持っているProject IDXは、確かに作るプログラムによってはかなり使えそうだ。特に感じたのが、Next.jsのアプリ開発。これはサーバーサイドのコーディングもあるので、クラウドで開発から実行まで全部一つで済ませるのはなかなか難しかった。それがProject IDXなら何も考えなくとも実現できてしまう。こういう「実行環境まで揃ってなんぼ」というプロジェクトの対応が増えてくると、Project IDXはかなり魅力的になってくる。
例えば、今やPythonのコーディング(Webアプリ開発とかでなくてただ処理を実行するコードね)で、ローカルにPythonインストールして、なんて誰もやらないだろう。多分、ほとんどの人がGoogle Colab使ってるんじゃないか。とにかく手軽で楽だし。これと同じ「ローカルからクラウドへ」のシフトをProject IDXで本格的に仕掛けていこうと思ってるのかもしれない。Project IDXなら、教育向けに売りまくってるChromebookでも全く問題なく使える。タブレットやスマホからでも使えるだろう。Googleの「すべてをWebに」戦略の、実はかなり重要な布石の一つになるかもしれないな。
んで、結局どっちが便利なの? という話だけど、結局、普段使うのは今もVSCodeだったりする(笑)。ただ、Project IDXがGoogle Cloudに完全融合したら、ちょっとわからないな。とにかく、かなり気になる存在になってることは確かだ、Project IDX。
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