似て非なるもの

というわけで、我が家に突然、iphoneとXperiaがやってきた。もちろん、どっかからもらってきたわけでなくて、買ったのだ。

iphoneは、さすがに売れ筋ということでソフトバンクのショップですぐに手に入ったのだけど、Xperiaはどこもかしこも予約でいっぱい。ソフトバンクのHTC Desireでもよかった(要するに、Android携帯であればどこでもよかったのだ)のだけど、こっちも「予約してもいつくるかわかりませんよ」とのこと。しょうがないので、予約だけ一応入れて、半ば諦めていたのだ。

ところが、今日、朝起きて新聞をざっと見ていると、折り込み広告に入っていたK's電器のチラシにXperiaの写真が。「まさかね」と思いながらも一応電話してみたら、「黒なら在庫ありますよ」とのこと。こりゃあ買うしかないでしょ!というわけで、開店と同時にいって、予約もなしにその場で手に入ってしまったのでした。

で、本日、暇を見ながらXperiaのセットアップをあれこれしていたのだけど……。

iphoneとAndroidは、現在、スマートフォンでの2大巨頭となりつつある勢力で、誰もが「ライバル」として認めているものだ。どちらもみた感じ、操作感もかなり似通っているように見える。これならどっちも同じだろう……と思っていたのだが、今日一日、2台を使い比べただけでも、両者は明確に使いかってが違うことがわかってしまった。

一言で言えば、「Androidは、使えない」のだ。

タッチの感覚、指でのドラッグ操作、アイコンのクリック、そういう基本的な操作の感触が、Xperiaは、全くなってない。また、マルチタスクの悪しき弊害か、とにかく動作が遅い。iphone OSが長い間シングルタスクを守ってきた理由が実に良くわかる。

また、鳴り物入りだったXperiaのTimeScapeやMediaScapeが、使えない。やむなく、もっと使えそうなライブラリ管理ソフトを探しているところで、完璧に本末転倒ソフトに成り下がっている。見栄えはいいのだが、その「見た目の美しさ」が、使い勝手につながっていない。かえって、使いかってを悪くしているくらいだ。iphoneのすぐれたところは、その視覚的な効果がすべて「ユーザーの使いやすさに」に結びついていることだろう。

それに、細かなメニューの構成、ソフトウェアの設計がまるで違う。iphoneは、1時間も触っていると、基本的な操作はわかり、細かな設定も「ここにこれがあるから、これを変更すれば……」とわかってくる。ところがExperiaは、今日、まる1日触っていたのに、未だに基本的な設定の変え方などがわからない。いや、一度はマニュアルを見ながら「ここにあるのか」と確認しているはずなのに、数時間後、その設定を探そうとするともう見つからない。仕方なくマニュアルをひっくり返して探し出し、ようやく「ここにあるのか」とわかる。が、それもまた数時間後にはわからなくなっているのだ。要するに、「整理がされていない」のだ。いや、整理はされているか。ただ、その整理の仕方が、一般的な感覚にフィットしていない、ということなのだろう。

これらの使いかっての悪さは、別にわたくしメがボケてきたからではない。
iphoneが、できすぎなのだ。

といっても、iphoneにしたところで最初はかなり苦戦をしていたのは事実だし、細かなマイナーチェンジを経て、3GSでようやくこれほどに洗練された操作感を手に入れたということなんだろう。Androidは、いわば「初代iphone」の時代なのだろう。それはわかる。わかるが……、正直、ここまで違いがあるとは思わなかった。

まぁ、これらのうちのかなりの部分は、おそらくはOSやソフトのバージョンアップによって改善されるのだろう。Android 2.2はかなりの高速化を実現したという。そのあたりで比べてみないと、Androidを正しく評価することはできないのかも知れない。

ただ、それまで「どっちも似たようなもの」といった印象があっただけに、両者の違いは正直、かなりショックだった。世の中には、そっくりなようでいて、よく見ると「似て非なるもの」というのがある。iphoneとAndroidも、そうなのかも知れない。

というわけで、どちらにするか迷っている人。ソフトバンクの回線でいい、と割り切っているなら、文句なくiphoneを勧めます。もし、Androidがいい!という人は、「Androidって素晴らしい!」と感じるほどに使いこなすまで、絶対にiphoneには触らないように。iphoneさえ知らなければ、Androidはなかなか使えますよ。いや、ほんと。

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