イーロン・マスクのxAIが開発するLLM「Grok」が、TwitterじゃなかったXで一般ユーザーにも公開し使えるようになった。TwitterじゃなかったX(ええいややこしい)にアクセスすると、「Grok」のリンクが追加されてる。これをクリックして、プロンプトになにか書いて送ればGrokが答えてくれる。現段階では、無料アカウントだと2時間毎に10回しか使えないという制約があるけど、ちょっと試す分にはこれで十分だ。
試しにいくつか送ってみたけど、意外なほどにちゃんと答える。案外、まとも。だがテキスト生成なんかよりも驚いたのが、イメージ生成能力だ。「〇〇なイラストを描いて」とか送れば、その場でイメージを作ってくれる。これが、かなり速い。思った以上に高速に作成してくれる。また、生成されるイメージのクオリティも高い。イメージ生成は1日あたり3枚まで(というけど、試したら4枚描けた。なんでだ?)。
しかし、それ以上に驚いたのは、セキュリティの甘さだ。普通、生成AIは安全性評価って機能を持っていて、そこで性的表現・ヘイト・ハラスメント・危険なコンテンツといったものをチェックしており、これをベースに問題あるコンテンツなどをフィルタリングして外の出さないようにしている。ところが、Grokではこのあたりの安全性評価がかなり甘いようだ。
(※その後、試してみて一般的な安全性評価に問題はないことがわかった。生成AIによるフェイク画像が問題となるような分野でのチェックが甘い、ということだね)
ブログの冒頭のイメージは、Grokで「ホワイトハウスで踊るトランプ大統領とイーロン・マスク、リアルな写真風に」として描いてもらったものだけど、肖像権とかまるでチェックしてないのがわかる。普通、ここまでそっくりなイメージは生成できないはず。いいのか、こんなん普通に生成しちゃって。(てか、いいのかこれブログに載せて?)
生成AIは、このところ、どんどんつまらなくなってきてた感じがある。「あれはまずい、これもまずい」の苦情の嵐で、どんどん生成できる内容が減ってきていた。特にイメージ生成は、ちょっとでも引っかかる語があると「生成できません」となっていた。それが、Grokは「ちょっと待てよおい」と思うぐらいに問題ありそうなものを平気で生成する。しかも、かなりリアル。おそらく今日明日にも、世界中からフェイク画像がTwitterじゃなかったXにどっと押し寄せてくるだろう。「Grok」の透かしがついた画像はすべてフェイクだとみんなが理解してないと、とてつもない混乱がやってくるぞ。
マスクはこれからトランプとの蜜月が4年間待ってるわけで、「どんなもん作っても、今、このオレに文句言えるやつはいない」と思ってるのかも。とりあえず、トランプが大統領でいる間、Grokを使い倒すか。
P.S.
後で知ったけど、Grokのイメージ生成はFLUX.1を使っているそうだ。なるほど、それでクオリティが高いのか。
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