今さら、龍馬伝

龍馬伝、見てます。いや、わかってるわかってる。龍馬伝をやってたのは去年だ。今はもう、「お江」が始まってる。わかってるってば。

実は、龍馬伝が始まってしばらくの間は見ていたのだけど、途中からなんとな〜く見るのをやめてしまっていたのだ。光テレビが始まって、外国のドラマとかにはまってしまっていたのだね。海外ドラマのスピーディな展開に慣れると、大河ドラマってのはなんともま〜まどろっこしくって見てられない。それで自然と遠のいていたというわけ。

で、年末年始にちょっと暇ができて、ハードディスクにとりあえず保存したままにしてあった龍馬伝の続きを見始めたというわけ。見始めるとなると、さすが大河ドラマ、すっかりはまってしまった……りは全然しなくて、「あ〜話の展開が遅いな〜イライライライラ」と思いながらなんとな〜く見ていたりする。

が、土佐勤王党が崩壊するぐらいになって、次第に目を剥く展開になってきた。おいおい、こりゃあすげえぞ。こんなとんでもないドラマだったのか!と、まさに目が釘付けの日々なのだ。


何がそんなにすごいのか。――だってこれ、「史実なんてどーでもいい」展開になってるじゃないのさ。とにかく話の展開がすごい。登場する人間が誰もかれもみんな「いい人」になってる。武市半平太は、心から以蔵のことを思って毒殺をはかろうとするし、心服する殿様にすべてを白状してしまうし、以蔵は武市のやったことを全部一切自白しないまま死罪になってしまう。確か以蔵は土佐勤王党の悪行をすべて自白したはずだし、武市はあくまでしらを切り通し、殿様の命令で罪状不明のまま切腹させたんじゃなかったか?

そりゃあ、確かに登場人物みんながすてきな人達のほうが見てて気持ちいいだろうさ。だけどな、敵対する人間をすべて暗殺して権力を掌握しながら、いざとなるとすべての罪を周囲になすりつけ、自分は一切やってないとしらを切り通し、あまつさえ実行者の以蔵を獄中から暗殺しようとまでする、ふてぶてしい悪の権化のような武市半平太というのを僕は猛烈に見てみたかったのだ。

そして、いよいよお龍さん登場。龍馬が寺田屋で襲われ、甲斐甲斐しくその介抱をしたことが縁で夫婦に。……あれ、ちょっと待てよ。二人が夫婦になったのは、それよりだいぶ前じゃなかったっけ? 徴収が禁門の政変で京から追い出された頃には夫婦になっていたはず。そして薩長同盟。あれ、重要人物の渡辺昇が出てこない? 長州との交渉もすべて龍馬がやったことになってるぞ?

昨年、龍馬伝があちこちで話題となり、僕の回りでも「はまった」という人が続出した。龍馬崇拝はとどまるところをしらなかった。怖い。「大河ドラマが歴史を捏造する」ことが僕は猛烈に怖い。あれはただのドラマだ。僕はそう思っていた。が、そうじゃない。あれが日本人にとっての「本当の歴史」なんだ。日本人は、大河ドラマで歴史を覚え、それが真実だとすり替えつつある。

こりゃ、イヤでももう少し大河ドラマを見るようにしなきゃいけないな。「テレビによって歴史が書き換えられる」その場を目のあたりにできるチャンスなんて、そうそうないからなぁ。


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