子供に使ってはいけない10の言葉で育った私

「子供に使ってはいけない10の言葉」
http://news.livedoor.com/article/detail/7631454/

よく、こういう記事を目にするよね。「子供にどういう言葉をかけるべきか、かけてはいけないか」といったことを分析した記事。うちの子が生まれた当初から、こうしたものはつい目が言ってしまってよく読んでいたものだった。そして、どうやら我が家の子育ては、「いってはいけない言葉」だらけで来てしまっているらしいことがよくわかるのだった。

「よくできたね!」は、使ってはいけない。使うなら「頑張ったね!」にしましょう。「いい子ね」はダメ。「○○してくれて嬉しいな」と伝えましょう。最近の研究により、これらの言葉は子どもたちの生育に悪い影響をあたえることがわかりました。だから代りにこれらの言葉を使うようにしましょう。

この種の話は、特に欧米で非常に前から研究されている。米国の母親というのは、確かにこういう育て方をしている例が非常に多いようだ。そして日本では、子育てという点ではこの種の研究は遅れている。

にも関わらず、そうして育てられた子どもたちの犯罪発生率は日本より米国のほうが高かったりする。日本より圧倒的に「正しく育てられた子どもたち」であるはずなのに、なぜか日本の子どもたちのほうが良い子に育っているように思えるのはなぜなんだろう。



そりゃあそうさ、米国は日本より貧富の格差も大きいし、銃は野放しだし、ヤク中は蔓延してるし、圧倒的に環境が悪いだろう、って?

そうなのだ。つまりは、その人がどういう人間に育つかは、「環境」が決めるのだ。もちろん、「家庭」も環境だし、「親」も環境の一部だ。だから、親がかける言葉がその子の成長に影響をあたえるのは確かだ。しかし、それ以外に影響をあたえるものもゴマンとあって、どっちかというとそっちのほうがはるかに影響力は強いと思うのだ。

にも関わらず、「親」という非常に限られた環境の一部の言動がすべてであるかのように思っている人間が多いのはなぜなのだろう。ちょっと聞いてみたいんだが、こういうレポートを書いた研究者というのは、子育てしたことあるのかね? いや、「休みの日は相手をした」とか「家では手伝った」とかいったことではなくてね。例えば、毎日毎晩、3時間おきに起きてミルクを作って飲ませておむつをかえたりしたことが、だよ。「手伝い」ではなくて、「当事者」としてやった経験があるのか、と思うのだ。

子供は、生まれてきてから親を見、親の言葉を真似して言葉を覚える。「いい子ね!という言葉をかけていると、いい子というステータスを失うことが怖くなり、率先して何かをしようとしなくなる」というけど、子供はそんなふうに親の言葉の裏の意味まで探りながら生きているのだろうか。

「どのような言葉をかけるか」よりも、その言葉をかけた時の親の気持がきちんと子供に伝わっているか?こそが大切ではないかと思うのは間違いなんだろうか。例えば「よくできたね!」はダメで「頑張ったね!」はいいという。が、子供が一所懸命に描いた絵をちらっとも見もせずにおざなりにかける「あーはいはい、がんばったね」と、子供をおもいっきり抱きしめて叫ぶ「よくできたねー!!!」と、果たして「前者のほうがよい」といえるだろうか。心の伝わらない「頑張ったね」と、全身全霊で伝える「よくできたね」は、どちらが「子供にかけるべき言葉」だろうか。


こういう記事は、もちろん「こういうことに気をつけて子育てしましょう」という一つの提言なのだとは思う。が、これを読んだ側は、なにかそれまでの自分の子育てを否定されたような気分になるんじゃないだろうか。そして、親が「自分の子育てに自信がない」と感じていることを子供は敏感に感じ取ってしまう。それは子育てにおいてもっとも避けなければならないことじゃないだろうか。

更には、子育てに不安な親に、こうした記事は「こういう言葉さえ使わなければいい子に育つんだ」という思い込みを与えてしまうのではないか。子育てする側というのは、なんでもいいからすがる藁を常に探しているのだ。子育て中の親が、些細な言動にも反応してしまうということを知らなさすぎる。

この記事を書いた人間は、「子育中の親に使ってはいけない10の言葉」という記事を読んでいないのだろうな、きっと。


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