すべてがGoogleになる(4) Googleドキュメント

Googleへの移行の中で、もっとも評価が微妙なのが「Googleドキュメント」だ。これは、要するに「Microsoft OfficeのGoogleによるWebアプリ版」だね。スプレッドシート、ワープロ、プレゼンテーションの3つのドキュメントを作成する機能がある。

まず、圧倒的に「機能が弱い」というのは、確かにある。例えばスプレッドシートにしろ、グラフ関係はもちろん、グラフィックの機能がない。これはかなりつらい。またワープロは、エディター的な機能がない。例えば行番号表示、文字数計算などが弱い。ではDTP的な使い方なのか?というとこっちもまったく弱くて、かなり中途半端な感じだ。また、長いテキストになると極端に動作速度が遅くなるため、とても書籍の執筆には使えない。今のところ、せいぜいWebマガジンの記事や企画書程度しか使えないでいる。

オフィスソフトにあるマクロ機能もなかったが、これは最近になって、Premier版のGoogle AppからGoogle App Scriptというのが使えるようになって対応したようだ。もっとも、こっちは「タダで使える」っていうんで利用しているので、当然Premier版の機能はないんだけどね。ただ、情報によるとJavaScriptベースでかなり使いやすそうだ。

では長所はないのか? いや、ある。それは、「どこからでもドキュメントにアクセスできる」という点だろう。ブラウザを起動し、Googleのアカウントでログインさえすれば、自分のパソコンなどなくとも仕事ができる。これは確かに便利だ。また、Googleドキュメントで作成したものを公開できるようになったため、Webサイトと連携し、ドキュメント類はGoogleドキュメントで公開する、といったことができる。こうした「他のGoogleサービスとの連携」は、さすがと思わせる。

また、意外なことに「ドキュメントの整理」という点でも、Googleドキュメントはけっこう使える。Googleドキュメントのフォルダ分けはなかなか使いやすいし、Gmailでおなじみの「スター」で重要ファイルだけマーキングできる。個人的には、Gmailのようなラベル付けができるようになれば、かなり強力になると思う。ドキュメント作成というより、「ドキュメント管理」プログラムとして、Googleドキュメントは意外に使えるようになるかもしれない。

ただ、まぁ現時点では確かに実用面で弱すぎるわけで、こいつばかりは僕も人になかなか勧めにくいところがある。ただ、作成するドキュメントの内容や分量などで「これで十分」という業務も多いだろう。実際、GoogleではGoogle Appをかなりプッシュしているところだし、既に多くの企業が採用しているところをみると、あながち「まだまだ使い物にならない」というわけでもなさそうだ。とりあえず、ちょっと試してみるだけの価値はある、と思う。


ちなみに。
MicrosoftのOffice 2010でもWeb版が用意されるということだが、ベータ板を触った限りじゃ、Googleドキュメントに軍配があがりそうだ。だけど、Microsoftが本腰を入れ始めたというだけでも、Web版オフィスアプリケーションがかなり現実的な選択肢になりつつあることを実感する。(更にちなみに。MSのOffice Web版は、Google Chromeだと正常に動かなかった。これは、わざとだろうか? それとも、かんぐりすぎ?)

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